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日光東照宮は、日本の関東地方北部、栃木県日光市に所在し、江戸幕府初代将軍・徳川家康を神格化した東照大権現(とうしょうだいごんげん)を祀る神社であり、日本全国の東照宮の総本社的存在である。

正式名称は地名等を冠称しない「東照宮」であるが、他の東照宮との区別のために、「日光東照宮」と呼ばれることが多く、その歴史は少なくとも源義朝による日光山造営までさかのぼり得るもので、源頼朝がその母方の熱田大宮司家の出身者を別当に据えて以来、鎌倉幕府、関東公方、後北条氏の歴代を通じて、東国の宗教的権威となっていた。こうした歴史を背景に、徳川氏は東照宮を造営したと考えられる。

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実在した人物を祀った神社のなかでも、もっとも、厳かな佇まいを見せる東照宮。あまりにも有名な徳川家康を祀り、おびただしい数の彫刻が施された極彩色の社殿である。

徳川家康は、元和2年(1616年)4月に75歳で死去すると、いったん駿河国の久能山に埋葬され、1年後に日光に改葬されたが、これは家康の遺言によるものだ。

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現在の社殿は3代将軍家光の時に建て替えられたもので、400年の歴史を刻む。

400年式年大祭となる現在、長期にわたる平成の大修理が執り行われており、鮮やかな輝きを放つ。

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日光東照宮の建物には、多様な動物の木彫像がみられることが多い。これらの動物のほとんどは平和を象徴している。眠り猫は踏ん張っていることから、実は家康を護るために寝ていると見せ掛け、いつでも飛びかかれる姿勢をしているともいわれているが、もう一つの教えとして、裏で雀が舞っていても「猫も寝るほどの平和」を表しているのである。

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神厩舎には猿の彫刻を施した8枚の浮彫画面があり、猿が馬を守る動物であるという伝承から用いられている。この8枚で猿の一生が描かれており、ひいては人間の平和な一生の過ごし方を説いたものとなっている。

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日光の木彫像の中で眠り猫に続いてよく知られている、「見ざる、言わざる、聞かざる」で有名な三猿は、この神厩舎に造られたものの1枚に過ぎない。なお、「見ざる、言わざる、聞かざる」は「幼少期には悪事を見ない、言わない、聞かない方がいい」という教えである。

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明治元年(1869年)の神仏分離により、日光は神社の東照宮・二荒山神社、寺院の輪王寺の二社一寺の形式に分立した。現在でも、一部の施設について東照宮と輪王寺の間で帰属について係争中のものがある。1873年(明治6年)に別格官幣社に列せられ、第二次世界大戦後は神社本庁の別表神社となっていたが、1985年(昭和60年)に神社本庁を離れて単立神社となった。 なお、平成25年度より、平成30年度まで「平成の修理」が陽明門でも行われている。

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