全国に3万社あるといわれ、全国各地で老若男女を問わず親しまれている、通称「お稲荷さん」総本宮が伏見稲荷大社です。
そして、稲荷信仰の原点が、稲荷山であります。当社の御祭神である稲荷大神様がこのお山に御鎮座されたのは、奈良時代の和銅4年(711)2月初午の日のこと。その日から数えて、平成23年(2011)に御鎮座1300年を迎えました。
稲荷山には信者から奉納された約1万基の鳥居があり、特に千本鳥居と呼ばれる所は狭い間隔で多数建てられ名所となっている。鳥居を奉納する習わしは江戸時代に始まったそうで、奥社奉拝所の先には、「お山」と呼ばれる稲荷山を巡拝できる参道が続き、そこかしこに祀られた無数の小さな祠(その数、1万基、あるいはそれ以上とも言われる)が存在し、「お塚」と呼ばれている。
各石碑には「白狐大神」や「白龍大神」などといった神名が記されている。参拝者の中には、石碑の前にひざまづいて「般若心経」や「稲荷心経」などを唱えている人もおり、日本で神仏分離が行われる前の信仰(神仏習合を参照)が今でも保たれているのを見ることができるそうだ。
奥社奉拝所の奥に「おもかる石」という石がある。この石は試し石のひとつで、願いを念じて持ち上げた時、重さが予想していたより軽ければ願いが叶い、重ければその願いは叶わないといわれている。
応仁の乱で焼失する前は稲荷山の山中にお社があったが、再建はされず現在は神蹟地として残っているそうだ。
明治時代に親塚が建てられ、その周りに信者が奉納した様々な神名のついた塚が取り囲む形となっている。親塚の神名が本殿に祀られる五柱の神名とは異なるが古くからそういう名前で伝わっているとされ、理由は定かではないそうだ。
主祭神は、宇迦之御魂大神 (うかのみたまのおおかみ)、配神は、佐田彦大神・大宮能売大神・田中大神・四大神 (しのおおかみ)、以上の5柱。これらの神々は稲荷大神の広大な神徳の神名化としている。
稲荷神が農業の神であるために、五穀豊穰・商売繁盛・交通安全といったご利益があるとされる。