市民討議会とは、ドイツで住民自治の手法として行われているプラーヌンクスツェレ法をアレンジし、取り入れたもの。
2005年に初めて東京千代田区で社団法人東京青年会議所によって試行実施され、その後、全国各地の青年会議所により広まった。
市民討議会は、市民参加の手法として、以下の5つの特徴がある。
①無作為抽出・・・住民基本台帳に基づいて、公平無作為に討議参加候補者を抽出する。その地域の住民の縮図をつくって、市民の意思を正確に反映できる。
②参加者への有償・・・報酬のある「仕事」として行う。市民の参加意識が積極的になる。参加しやすくなるとともに、「仕事」として責任のある言動をとってもらう。
③専門家からの情報提供・・・専門家や行政から討議の基礎となる情報を提供してもらう。基礎知識が無い人でも議論に公平に参加できる。
④討議・投票・合意・・・少人数で討議を行い、討議ごとにメンバーを変え、結論に投票を行う。議論を公平かつ深く行いやすく、最終的に結論を出すことができる。
⑤提言の公開・・・結果を「提言書」としてまとめ、マスコミを通じて広く公表する。議論を実のあるものにし、公開することで公正・公平・信頼性を確保できる。
色々と各地で行っている様子を探ってみると、この「市民討議会」というスタイルで行うことで、参加した市民の方々の参加者意識が芽生えるようです。
というのは、無作為抽出で選ばれた市民なので、日常のなかで、行政に無関心な方々の参加する機会ができます。そんな無関心で選ばれたつもりが、有償なので、真面目に討議をしなければと考えます。
そんな心境のなかで、専門家のお話やテーマに関する担当職員さんのお話を聞いているうちに、「行政サービスって結構充実してるんだな」、「街の予算が少なくなってきているのだから、時間がある時は自分たちでも何かしらやらなければな」、「これからは自治会の活動に参加することにしよう」等々といった前向きな思考につながるのだそうです。
また、一度参加された方々のほとんどが、「また参加したい!」と言って帰られるそうです。
以上のように、今までは自身の意見を持っている人が、行政や議員さんに陳情をするという流れが一般的だったと思いますが、この「市民討議会」のスタイルを定期的に実施することにより、偶然参加することとなった方々の積極的な地方自治への参画意識を芽生えさせるきっかけをつくっていけるのではないかと考えます。
是非、厚木市においても「市民討議会」を開催したいなぁと考えておりますので、情報を収集していきながら、このブログでご案内していきたく思います。