お伊勢詣での続きです。

外宮を参拝し、外宮の別宮(わけみや)への参拝です。別宮とは御正宮に次いで尊ばれている宮で、全部で14宮あると言われる、外宮・内宮の宮域内にあるものと、伊勢市内にあるもの、少し離れたものがある。

先日、外宮には4つの別宮があり、先日、ご案内した外宮の宮域内にある、「多賀宮」、「土宮」、「風宮」に続き、こちら、「月夜見宮(つきよみのみや)」は、神路通りで外宮と結ばれている。

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外宮の北に位置し、三方をめぐる堀はかつての宮川の支流の名残で、昔はここ一帯が高河原と呼ばれたそうだ。御祭神は、「月夜見尊(つきよみのみこと)」、文字は違うが、「月読宮」と同じ神様のことを指す。

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父である、伊邪那岐命(いざなきのみこと)が火傷で亡くなった伊邪那美命(いざなみのみこと)に会うために死者が行くとされた黄泉の国を訪れ、伊邪那美命に現生へ戻って欲しいと懇願するが、伊邪那美命は帰る事が出来ないと答えた。

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ただ、黄泉の国の大神に相談をするので、その間、自分の方を覗き見しないで、待つように言い渡した。ところが、伊邪那岐命は変わり果てた姿を見てしまう。怒った伊邪那美命は黄泉軍勢に追いかけさせたが、なんとか逃げ切った。

その後、見についてしまった穢れを落とすために禊をすることとなる。この時に、伊邪那岐命の左目から天照大御神、右目から月夜命(つくよみのみこと)、鼻から須佐之男命(すさのおのみこと)の3貴子が生まれたとされる。

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「日本書紀」には、月夜見尊(月讀尊の文字も用いられております)は、その光彩(ひかりうるわしいこと)が、天照大御神に亜(つ)ぐものであると、たたえられております。天照大御神のご神徳は、「その光華明彩(ひかりうるわしいこと)、六合(あめつち)の内に照り徹(とお)るほどでございます」と、太陽にたとえられていますが、月夜見尊のご威徳は、それにつぐものとして、月になぞらえて、たたえられたと考えられます。

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皇大神宮別宮の月讀宮は月讀尊と月讀尊荒御魂がそれぞれご殿を分けておまつりされていますが、月夜見宮は、月夜見尊と月夜見尊荒御魂が一つのご殿に合わせておまつりされています。

月夜見宮はご鎮座地が伊勢市の中央に位置し、周囲は繁華街となっておりますが、古くは高河原(たかがわら)と呼ばれ農耕と深いつながりのあるお社です。「延喜大神宮式」(第60代醍醐天皇延長5年(927)奏進)には、外宮の摂社(せっしゃ)の首位に列せられておりましたが、鎌倉時代のはじめ、第83代土御門(つちみかど)天皇の承元4年(1210)に、別宮に昇格されました。

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